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2011年 10月 01日
2010年のベルリン国際映画際で、監督に与えられる銀獅子賞を受賞したのが大御所のロマン・ポランスキーが撮ったこの映画。 主人公のゴーストライターを演じたのは、「ブローン・アパート」でジャーナリストを演じていたイギリスの俳優ユアン・マクレガー、そして元首相のアダム・ラングを、「007」でおなじみ(現在はベテラン演技派俳優として、いろいろな映画に出演中)のビアーズ・ブロスナンが演じている。 (以下あらすじ。少々ネタバレ) 事故で死亡した前任者マカラの後を受けて、英国の元首相アダム・ラングの自叙伝を執筆することが決まったとあるライター(名前は明かされない)。 ゴーストライターをやっているくらいだから著作家としてはいまひとつのこの男性が仕事を得られたのも、ライター選びをしている大統領の側近が、なんとなく当たり障りがなさそうな性格と判断してのことのようだった。 ところが、仕事が決まって外に出た途端、ライターは暴漢に襲われ怪我を・・・。 しかもライターは、現在アメリカの別荘に滞在中のラングを追って、アメリカの僻地とも言えそうなとある孤島の、殆ど客の泊まっていないホテルに宿泊させられる。 その上、マカラが書いたオリジナル原稿の別荘からの持ち出しは厳禁。 この原稿には何か秘密がありそうだと怪しむライターだったが、そこにはこれといって人に知られて困るような出来事は何も書かれていなかった。 一方、ラングの妻ルースは、ラングが自分以上に秘書のアメリアを重んじているため、二人の仲を嫉妬している。 そんな折、ラングはテロの容疑者であるアラブ人を違法にアメリカに引き渡した嫌疑で、国際裁判所に告発されてしまう。 静かだった島にもジャーナリストが押しかけ、別荘周辺には大統領の責任を追及するデモ隊も現れる。 やむを得ずホテルを引き払い、別荘で仕事をすることになったライター。与えられたのは前任者である マカラが使っていた部屋だった。 部屋にはマカラの荷物がそのままに・・。 ライターが部屋を片付けていると、引き出しの奥になにやら隠された封筒があり、そこから出てきた写真の日付を見たとき、ライターはそこに、ある矛盾があることを発見するのだった。 この映画、アメリカのサスペンスドラマにありがちなアクションシーンなどは一切ないのだが、次々現れる謎を、主人公のゴーストライターが地道に調査して真相に迫っていく様子はとてもスリリング。 主人公は特別に能力がある人間というわけではなく、それをいかにも普通のユアン・マクレガーが演じているところは、観ている側も同じ目線で事件を追うことが出来て却って面白い。 さらに、最後に明らかになる真相や、ラストを含むもろもろの展開は衝撃だけれど、ただ、肝心の原稿に隠されていたトリックは、期待したほど斬新ではない。 この元首相が、同時多発テロ当事、国内に多くの反対があったにもかかわらずアメリカに追従し「ブッシュの飼い犬」とまでいわれたトニー・ブレアをモデルにしているのは間違いないところだろう。 でもこの映画、最初から最後までどうもすっきりしないところがあった。 この後の展開をざくっと書くと(だいぶネタバレになるのでご注意を) ライターが更なる調査を続けると、ラングはどうやらCIAのスパイである可能性が出てきた。 その事実をどうやらマカラはつかんでいたらしい。 しかもマカラはラングを裏切り、ラングの政敵である外相のライカートと通じていたのだ。 さらに、事故とされていたマカラの死も、実は殺人だった疑いが浮上する。 マカラの車のカーナビの導くままライターがたどり着いた場所は、マカラの残した写真に写っていた、かつてCIAの徴募係だったアメリカの大学教授エメットの屋敷だった。 中に入って、率直に自分の行き当たった疑問をその人物にぶつけた直後、ライターは怪しげな二人組みに付け狙われる。 せっぱつまったライターは、マカラ同様ライカートに助けを求めるのだった。 ここで結論を言ってしまうと、この後ラングはデモに参加していた狂信者によって暗殺されてしまい、ライターの書いたラングの自叙伝は、思わぬ評判を呼ぶことになる。 ところが、その出版記念パーティーで、ライターは思いがけずマカラが原稿に込めた暗号を解き、本当にスパイだった人物を知ることになる。 真実を掴んだライターは果たして・・・・。 細かいところはよく覚えていないのだけれど、大筋はこんな感じだ。 でも考えてみると、マカラに秘密を握られたCIAはどうやらマカラを殺したようなのだが、肝心の原稿は奪えなかったらしい。その証拠に、原稿はその時点ではまだラングの元にある。 そこでもしラングがCIAと通じていたなら、原稿をCIAに渡すはずだから、そうしなかったラングがCIAのスパイでなさそうだとうことは、良く観ていればわかる。 でも、なんだかラングが怪しい感じに見えるのは、ラングがマカラの書いた原稿にすごくこだわって、それを持ち出し厳禁なんかしているからだろう。 じゃあ、なんでラングは原稿をあんなに厳重に保管したがったのだろうか? ラングはそこに秘密が隠されていることを知っていたのだろうか? だとしたら、そこに全然無関係の第3者であるライターを近づけたのはなぜか? そもそも、戦時中とか昔の独裁政権下ならともかく、いまどきマカラはなぜ原稿に暗号を、それもCIAの目に留まったらたちどころに解かれてしまうような稚拙な暗号を盛り込むなんてアナクロなことをしたんだろう? ラングが殺された後、本が出版されるまでの間、CIAはなぜライターと原稿を狙わなかったのだろう? 正直言ってこの映画には、そういったミステリーとしては不完全なもやもやっとしたところがいろいろある。 もしかしたら、私が何か大事な点を見落としているのかもしれない。 すっきりするには原作本を読むか、そういった点に留意してもう一回見てみるしかないだろう。 でも、そういった不完全さを考慮しても、この映画には適材適所の配役とか、不穏な空気をさらに煽る荒涼としたロケーションとか、そこに畳み掛けるように展開するストーリーなどが絡んで、2時間以上を飽きることなく観られる。 ロマン・ポランスキーの映画は、これで10本くらい観たが、私が初めてポランスキーの名を知ったのは、60年代に撮られたホラー映画の「ローズマリーの赤ちゃん」だ。確かオカルトなんて言葉は、この映画がきっかけで広まった。 怖さもさることながら、この映画にはなんだかちょっとHなシーンがあったらしく、最近の中学生に比べたらずっと奥手だった当時の中学校でもそれが話題になって、見に行った子から興味津々で話を聞いたのを覚えている。まあ、中学生が入れたんだから大したことはなかったんだと思うけれど・・。 私はさすがに映画館には行かなかったが、何年か後にテレビで放映されたのを見た。 テレビではその話題のシーンはカットされていたと思うが、それでも十分刺激的な映画だった。 その映画で主演のミア・ファーローは痩せて眉毛も薄くて、映画自体が怖かったせいもあって、ぜんぜん素敵な人には思えなかったけれど、その後に主演した「フォロー・ミー」で、大好きな女優の一人になった。 ウディ・アレンの映画に出演していたころのミア・ファーローは本当に良かった。 監督のポランスキーに関しては、その後は映画より、奥さんのシャロン・テイトがチャールズマンソンに惨殺されてしまった事件が強烈に印象に残った。 その後、少女に対する淫行で訴えられて、無罪を主張したものの聞き入れられずアメリカから出国したらしいが、その事件のことはあまり覚えていない。 監督としてのポランスキーは、いくつか話題の映画を撮ったあと、しばらく泣かず飛ばずになってしまったけれど、2002年の「戦場のピアニスト」で見事に復活した。 それでもアメリカに行くと逮捕されてしまうので、いまだにアメリカには入国出来ないらしい。 今回の映画を、どういった経緯でポランスキーが監督することになったかはよくわからないが、アメリカに一矢報いたいという思いが無きにしも非ずだったのは創造に難くない。 それにしても、あのポランスキーが今年もう78歳とは。 でも、70代の後半になっても、こんなに精緻な作品が撮れてしまうなんて、いまだに衰えないその映画に対する情熱には恐れ入る。 98歳で映画を撮っちゃう新藤兼人みたいな監督さんもいるから、少なくともあと10年くらいは頑張ってほしいもんです。 ※下記の広告はExciteの営業活動の一環として掲載されるもので、主催者が載せているものではありません
by chiesan2006
| 2011-10-01 21:51
| 映画
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