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2012年 06月 23日
劇場公開されている時から見たいと思っていたのだが、見逃したのでDVD鑑賞した。 最初に題名を聞いた時にはフラメンコの映画かと思った。でも、事前に仕入れた情報によるとアラブの映画ということで、冒頭から兵士のような男たちに髪を刈られるアラブ人の少年たちが登場する。 ただ、例によってそれ以上の情報を読まないで行ってしまったので、アラブはアラブでもどこの国かわからず、地名も聞き覚えがない所ばかりで、最初のうちはずっとそれが気になった。 国の中にキリスト教徒とイスラム教徒が混在し、都市部ではフランス語の教育が行われているとなれば、場所はレバノンとぴんと来る人も多いはずだと思うが、私はとうとう最後までわからなくて、後で解説を読んでやっとわかった。 元々は「焼け焦げるたましい」という上演時間が4時間にもなる舞台を、カナダ人監督のドゥニ・ヴィルヌーヴが映画化したもの。 レバノン生まれの原作者、リジディ・ムアワッドは8歳で内戦を逃れフランスを経てカナダへ移住した人なのだそうだ。 というわけで、この映画も舞台がレバノンとカナダに跨り、しかも時代も現在と過去を行ったり来たりする。 以下あらすじ(ネタばれあり) レバノンの農村に住むレバノン人キリスト教徒の女性ナワルは、イスラム教徒の難民の青年と愛し合い妊娠するが、兄弟には恥知らずとののしられ、恋人は殺されてしまう。 母親の助けを借りて男の子を出産したナワルだが村にはいられず、息子を置いて叔父を頼って街に出る。 ナワルはそこで大学教育を受けるが何年経っても息子の事が忘れられず、とうとう息子を探しに村に戻る。 しかし、その途中、反モスリムの武装勢力に襲われ、バスの同乗者は皆殺しに。 ナワルはキリスト教徒ということで九死に一生を得るが、その影響で自身も反体制派活動に身を投じ、家庭教師として入り込んだ要人の家で、その要人を暗殺して刑務所に収監される。 この話と並行して語られるもう一つの話。この二つが入れ子細工のように交互に語られていく。 場所はカナダ。 公証人の事務所に若い男女がいる。二人はナワルの双子の子供、ジャンヌとシモン。 長年公証人の秘書だった母親が亡くなって、遺書が渡される。 姉のジャンヌに渡された遺言には「父を探しなさい」、弟のシモンに渡された遺言には「兄を探しなさい」と書かれていた。 シモンは気乗り薄だが、ジャンヌは遺言どおりアラブに赴き、母の足跡をたどる。 母の悲惨のな過去を知るにつけ、ジャンヌはカナダに残ったシモンに助けを求める。 やってきたシモンと共に、ジャンヌは漸く二人の出産に立ち会った看護婦を見つけ、その女性から、ナワルが実は刑務所で拷問人からレイプされ二人を生んだと知らされ愕然とする。 看護婦は子供を捨てるように命じられるが、命令にさからって密かに二人を育て、やがて出所したナワルは子供を連れてカナダに渡ったのだった。 しかし、二人の出生には、更なる驚きの秘密が隠されていた。 一人でその秘密を探り当てたシモンはジャンヌに言う。 「1+1が1なんてことがあるのかい?」と。 優れた数学者であるジャンヌは、一瞬考えた後その意味するところを悟り、言葉を失う。 ここで語られるのは、それこそものすご~くショッキングな真実なのだ。 母親のナワルは、カナダで子供達と行ったプールで偶然その真実と向き合う事に成り、ショックのあまり病気になってそのまま死んでしまうのだ。 その前に公証人に遺言を託すのだが、ナワルは、二人が真実にたどり着くまでは自分を葬ってはいけない、とまで言うのだ。 この映画では紛争は確かに重要なファクターだけれど、物語の核心はそこにはない。 正直言ってこの話、重すぎてどう受け止めてよいのかわからなかった。 こんな重荷を負って、この先この二人はどんな思いで生きていくのか。 母は何故、死の床にありながら、こんな重荷を二人に負わせる決心をしたのか。 母がもう一人の息子に残した言葉「どんなことがあってもお前を愛すると誓った」こそ、この物語の核心なんだろう、きっと。 この試練を乗り越えた暁には、この3人はきっと揺ぎ無い絆で結ばれるだろう、とは思う。 でも、もし私だったら、乗り越えられる自信なんて全くないなあ。 自分の子供には乗り越える力があると信じるのも、また母の愛、なのかもしれないが・・。 舞台「焼け焦げるたましい」の日本上演に際して来日した原作者のことば 「観客を泣かせる安易に走らず不安に陥れること。レバノンだろうと広島だろうと、隠されたものを光の下に晒すのだから、盛り上げて泣かせて感動させようとしてはならない。生きているものを居心地悪くさせるのでなければ・・死者に失礼だ」 全くそのとおりと言うしかない、が 政情が不安定なアラブが舞台の映画は、紛争をテーマにした作品も多く、そういった映画は一様に重い内容だが、今回の映画はそういった重さに加えて、ギリシャ悲劇的な運命の不条理が描かれている。 でも、それはあくまで偶然であって、紛争がもたらしたものとは言えず、他のストーリーの中に組み込むことも出来る。 それをわざわざこのストーリーに中に持ってくることが、果たして良い事なのか私には良くわからなかった。 「私が、生きる肌」も衝撃だったけれど、今回の映画は観客をミスリードする伏線も周到で、ミステリーとしても良く出来ている。 それはつまり、エンターテイメントとしての計算もかなりなされているという事で、それがこの映画にそぐわない感じも否めず、見終わった後、見始めた時にイメージしたのとは違う種類の映画を見せられたという感じがする。 「私が、生きた肌」は単純に衝撃的だが面白いと言い切ってしまえるが、この映画はなんだか出口の見つからない迷路に迷い込んだように感じる。 原作者の意図どおり、観客の居心地が悪くなる事は確かだが・・。 ※下記の広告はExciteの営業活動の一環として掲載されるもので、主催者が載せているものではありません
by chiesan2006
| 2012-06-23 12:41
| 映画
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