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2007年 06月 10日
予告編で観た時から暗そうな映画だなと思っていたけど、やっぱり暗かった。
イギリスミステリー界の巨匠、 PDジェームズが1992年に、 70歳過ぎてからたった一作書いた近未来小説、「人類の子供たち」の映画化。PDジェームズの作品は結構読んでいるけど、この作品は未読。 この小説、発表された時にはミステリーの女王が書いたSF小説という事で、かなり話題になった。すわ、PDがSF作家に転向かなんて思ったが、結局SF的な作品はこれ以後書いていない。書いてはみたものの、やはりこういった傾向の小説は自分には向かないと思ったのか、このテーマでどうしても一冊本が書いてみたかったのか、その辺のところは良くわからない。本の解説でも読めば判るのかも知れないが・・。 小説は読んでいないので、比較は出来ないが、映画は以下のような内容です。(ネタばれあり) 舞台は2027年のイギリス。ある日突然女性に不妊が蔓延しだし、人類には18年にわたって子供が生まれない状況が続いている。 人類滅亡の危機に直面し世界的な秩序が乱れる中、なんとか治安を維持しているイギリスに、雑多な人々が流れ込む。政府は治安を維持するため厳しい全体主義体制を敷き、反体制派や不法入国者を檻に入れて管理する。 そんな中、国家の最高権力者をいとこに持つテオに、元妻で現在は反体制派「フィッシュ」のリーダージュリアンが接触してくる。ジュリアンの願いは、ある不法入国者の少女の脱出に手を貸して欲しいというものだった。やがてテオはその少女キーが妊娠してる事実を知る。 「フィッシュ」の中にはキーと生まれてくる赤ちゃんを政治的に利用しようとするグループがいて、その連中にジュリアンは殺されてしまう。 何とか難を逃れ、ジュリアンの言っていた「ヒューマン・プロジェクト」の元に脱出するため、迎えの船「トゥモロー号」の来る港に向かうテオとキー。だが不法入国者に対する当局の取り締まりは厳しく、加えて「フィッシュ」からの追っ手も迫る。数々のストレスのため、突然キーは産気付き、ある隠れ家の中でテオの手を借りて出産してしまう。 政府軍の激しい攻撃の中、赤ちゃんを連れて逃げ惑う二人だったが、赤ちゃんの泣き声が響き渡るに連れ、思わず兵士たちはすべての攻撃の手を休めるのだった。 で、このテオをクライブ・オーウェン、ジュリアンをジュリアン・ムーアが演じているのだけれど、ジュリアン・ムーアは出てきてしばらくしたら殺されてしまう。途中逃亡する車の中で、テオと口でピンポン玉を投げっこ(吹きっこ?)する変なシーンがあるんだけど、そのシーンが一番印象的な位だった。私はジュリアン・ムーアはあまり好きな女優じゃないので別にかまわないんだけど、ギャラが高そうなのにもったいない。 以前このブログで紹介した「白の闇」は、強い感染力の病気が原因で人々が失明してしまうが、この映画では女性が不妊になる原因に関しては一切言及されない(どうやら小説の中でもそうらしい)。これがSF作家だったら、宇宙からの放射線とかなんとかもっともらしい原因を作りそうなものだけれど、PDジェームズはSFという意識では書いていないのかもしれない。 なにしろ、映画の中では科学的な事柄には全く触れられていないし、町並みも人々の服装も、兵器さえも目当たらしさは何もなく、ただすべてが荒廃している。 PDジェームズがこの小説を発表した1992年当時は、まだPCも携帯電話も一般的には普及していなかったが、いくら荒廃していても2027年の世界で、そういった物が全く出てこないというのも、それはそれで違和感がある。 ただこの映画で描かれている不妊や、テロや、移民の流入という問題は、この小説が書かれた当時よりずっと切実な問題として今の社会にはある。そういう意味では、PDジェームズという作家は流石に慧眼というべきだろう。 赤ちゃんをテーマにした近未来映画といったら30年くらい前に「赤ちゃんよ永遠に」という作品があったが、こちらは急激な人口増加で食料が足りなくなり、赤ちゃんを産んではいけなくなる世界の話で、その中でこっそり赤ちゃんを産んで育てている夫婦が主人公だったが、最後には結局新天地に脱出する。設定といいラストといいよく似ている。 この映画では「ヒューマンプロジェクト」という組織がどのような活動をしているのかわからない。でもどう考えたって、この時点で全人類で生まれた赤ちゃんがたった一人というのでは、絶滅を阻止するのは難しいんじゃないんだろうか。 これをきっかけに、不妊を治療する画期的な方法が発見されそうだとかいった示唆でもあれば希望も持てるが、この終わり方ではそれもわからない。あの日本産の朱鷺だって、あれだけ頑張って増やそうとしたのに、結局絶滅してしまったし。 そもそもの設定といい、終わり方といい何となく釈然としない映画だった。ラストの長回しのシーンも、後で映画評を読んで初めて知った。 監督のアルフォンソ・キュアロンはキューブリックの後継者などと言われているようだが、「リトル・プリンセス」「ハリーポッター・アズガバンの囚人」「天国の口・終わりの楽園」そして本作で、どこがキューブリック的なのかこれも良くわからない。 そうそう、「キンキーブーツ」でドラッグ・クイーン演ってたキウェテル・イジョフォー が、この映画ではテロリストの首領役で太い眉毛で出演しています。
by chiesan2006
| 2007-06-10 04:57
| 映画
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