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2007年 10月 21日
娯楽大作ばかり作ってきたヴァーホーヴェンがこの社会派のドラマをどのように料理するのか興味津々だったが、結論から言うと、やっぱりヴァーホーヴェンはヴァーホーヴェンでありました。 女優を裸にして際どいシーンを演じさせるのはお約束通り。また、故意にそういった作り方をしているのか、音楽の使い方などまるで一昔前のハリウッドの大作映画をみているようで、本来だったらナチスに対するレジスタンスという重いテーマを扱ったドラマのはずが、ミステリーやアクションという単なるジャンル映画にとどまってしまっていた。 内容は以下のとおり(ネタばれあり) 1944年、ナチス占領下の北部オランダ。隠れ家を爆撃され新しい住処を探していたユダヤ人女性ラヘルの元に、ファン・アインという男が訪ねてくる。 ファン・アインはラヘルが資金さえ調達できれば、安全なオランダ南部に逃げる手助けをすると申し出た。 そこでラヘルは、家族の昔からの友人で公証人のスマールに相談する。 スマールはラヘルの父から預かっていた資金をラヘルに渡し、ラヘルばらばらに隠れていた家族と共に安全な南部に逃げるため川を渡ろうとするが、途中ナチスの待ち伏せに会い、家族は皆殺しにされる。 必死で川に飛び込んで一人難を逃れたラヘルは農民に助けられ、その後レジスタンスの手を借りて南部に逃れる。 その地でエリスと名前を変えレジスタンスの仲間として活動し始めるラヘルだったが、ある日指揮官ヘルベンの息子をはじめ3人の仲間が捕らえられてしまう。 ヘルベンは仲間の救出のため、ラヘルにドイツ人将校ムンツェ近づいて情報を集めるよう、要請する。 美人のラヘルはムンツェの心を捉えるが、戦争で家族をなくし一人残されたムンツェの境遇に自分の境遇が重なり、激しく心を動かされる。 やがてラヘルが仕掛けた盗聴器の情報を元にレジスタンスは仲間の救出作戦を実行に移すが、その作戦はドイツ側に筒抜けで、戦闘によって捕虜を含む多くの仲間が失われる。 しかも、ドイツ側はラヘルがスパイである事を見抜いていて、ラヘルを罠にかけ、裏切り者の濡れ衣を着せる。 だが、実は裏切っていたのは全く意外な人物だった。 とにかく終盤はどんでん返しに継ぐどんでん返しで、なんだか皆怪しく見えてくる。元々この映画をそういう視点で観ていなかったので、えっ、そういう話だったのとちょっとびっくり。 ラヘルはムンツェによって助けられ二人で逃亡するがやがて終戦が訪れる。ところが今度は裏切り者として民衆によって捕えられてしまう。 しかもムンツェは終戦後であるにも関わらず、ドイツ軍に引き渡され、ドイツ兵によって銃殺される。 どうやらカナダ人の将校がだまされたらしいのだが、いくら終戦後の混乱した時期だったとはいえ、そんな事ってあるのかと思った。 そしてラヘルは、ナチスの協力者たちが収容される施設で虐待にあう。 ナチスの協力者たちが見せしめにされるシーンはフランス映画などでは観られるし、イタリア映画の「マレーナ」ではファシスト政権の大物たちと関係を持っていたモニカ・ベルッチ演じる女性が、村の女たちにリンチされる。 オランダでは施設内でのそういった事実はあまり知られていなかったらしく、この映画が公開された時、オランダ人は衝撃を受けたらしい。 こういった映画が公開され、しかも監督がヴァーホーヴェンだと最初に聞いた時、オランダ映画界が巨費を投じる作品にハリウッドで活躍するヴァーホーヴェンを招いたのかと思ったが、そうではなくて元々ヴァーホーヴェンが20年以上も暖めていた企画をオランダに持ち込んで実現した映画らしい。 ヴァーホーヴェンは「インヴィジブル」でハリウッドのスタジオの言いなりで映画を作った事で自己嫌悪に陥り、今度は全然別の視点で映画を撮りたいと思い、20年ぶりでオランダに戻りこの映画を撮った。 その発想の元となったのは、20年以上も前にオランダのあるジャーナリストの書いた本。監督はその本で「ブラック・ブック」の存在を知ったという。 「ブラック・ブック」とはハーグの弁護士デ・プールという人物の日記帳で現在は失われてしまったが、大戦中の裏切り者とその協力者のリストが載っていているといわれる幻のノート。 この映画を撮るに当たって、監督はそれに加え脚本家とともに800以上の資料を集めたそうだが、だからといって芸術的な映画を撮りたかったわけではなく、多くの観客に受け入れられるような映画にしたかったとコメントしている。僕はもともとそういう監督だからだそうだ。 わざわざそんな事を断るまでもなく、それは映画を観たら良くわかる。 わたしはヴァーホーヴェンはもう少し若く、シャロン・ストーンより多少年上かなあと思っていたけれど、意外に年配で、当時子供だったとはいえ第二次世界大戦の経験もあるという。その割には、なんだか重みのない映画ばかり撮ってるよなあ。 「ショー・ガール」ではラジー賞までとっちゃうし。(でも私、ヴァーホーヴェン作品の中ではこの映画案外好きだった。内緒だけど) 公式サイトのコメントを読むと、ヴァーホーヴェンはラヘルを演じた女優カリス・ファン・ハウテンが相当気に入ったようだけれど、この監督が30歳前後の美人でセクシーな女優が大好きだという事は、「氷の微笑」のシャロン・ストーンを見たって「ショー・ガール」のジーナ・ガーションを見たって「インヴィジブル」のエリザベス・シューを見たってわかる。 オランダ出身で世界的に売れた女優といったら、かつて「エマニュエル夫人」に出演したシルビア・クリステルを思い出すが、カリスがヴァーホーヴェン作品で一躍脚光を浴びたシャロン・ストーンのようなスターなれるのか、今後が注目される。 オランダで25億円の制作費を集めるのは難しく、この映画はオランダ・ドイツ・イギリス・ベルギーの共同制作になっている。それでも制作費は「スターシップ・トゥルーパーズ」の5分の1程度。 アメリカでは資金は集まるけれど自分の思い通りに撮る事は難しいらしく、それに比べ今回は全く誰の干渉も受けずに製作出来た点、ヴァーホーヴェンにとってはかなり満足のいく映画になった模様。 とはいうものの、ムンツェ役のセバスチャン・コッホが出演しアカデミー外国映画賞を受賞したドイツ映画「善き人のためのソナタ」と比較すると、やっぱり格が違うと思った。
by chiesan2006
| 2007-10-21 22:48
| 映画
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