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2012年 06月 02日
2005年の「このミス」で13位にランクしたフランスの作家ティエリー・ジョンケの小説を、スペインのペドロ・アルモドバル監督が映画化した作品。 このブログでも再三書いているように、私はアルモドバル監督の映画はちょっと苦手なのだ。 ただ、個人的には苦手なのだが世評が高いのでそれに踊らされて見てしまうことが結構あって、見た後になってやっぱり私向きではなかったと後悔することが多い。 などと思いながらも、今回の作品はヤフーのユーザーレビューの評価が高かったのと、ポスターのミステリアスな写真に惹かれてまた見てしまった。 で、また後悔したのかといったら、今度こそ面白かったわぁ~。 今回の映画、「このミス」でランクインしていることからもわかるように、内容はミステリー、それも監禁物だ。 監禁映画の草分けといったらなんと言ってもアメリカ映画の「コレクター」を思い出すけれど、アルモドバル監督は実は以前にもこの映画で主演したアントニヲ・バンデラスを使って「アタメ・私をしばって」という監禁物を撮っている。 精神病院を出たり入ったりしている男が、憧れのポルノ女優の家に押し入って監禁するという内容で、日頃アルモドバルは苦手と言っている私だけれど、この映画とか「神経衰弱ぎりぎりの女たち」など初期の作品は案外面白く見ていた。 その頃は若くてもっとすっきりしたイケメンだったバンデラスもすっかり中年になって、今回は世間的にも認められている野心家の形成外科医を演じている。 差し障りない程度に内容に触れると、 映画が始まって間もなく、広い部屋のソファーで全裸でヨガをしている女性が映される。 アップになると、全裸に見えたのは実は全身肌色のタイツを着ているせいだったことがわかる。 部屋はモニタリングされていて、それを見つめているのがバンデラス。 バンデラスが部屋に入っていくと、女性は「こんな事をしているくらいなら、いっそ結婚して」と懇願。女性はバンデラスの愛人なのか? バンデラス演じるロベルは実はバイオテクノロジーを使った人工皮膚の権威で、豚の遺伝子を使った画期的な皮膚を開発した、と学会のようなところで発表している。 どうやら監禁した女性を使って、その実験をしているらしい。 と、なにやらミステリアスな出だしで冒頭から惹きこまれる。 でもこの映画、抑えた色調や音楽の使い方などがいつものアルモドバルらしくなくて、さては流石のアルモドバルも年を取って手法が変わったのかと思って見ていると、突然話が6年前に遡る。 その頃、ロベルの妻は家政婦の息子と浮気の挙句出奔、途中で事故を起こし、なんとか一命は取り留めたものの全身やけどを負い、窓に写った自分の醜い姿にショックを受け、飛び降り自殺をしていたのだった。 とここで、見ている側はあの監禁されている女性は妻の身代わりなんだ、ということに思い当たる。 でもまあ、人工皮膚の移植などいくらか胡散臭いところはあるものの、ここまでは良くある話でしょう。 ところが、この後明かされる出来事は、それこそびっくり仰天、奇想天外。やっぱりアルモドバルはアルモドバルだった。 いや、実は見ていてちょっとそんな予感がしないでもなかったのだけれど、でもまさかと思っていたのだが、そのまさかが本当になってええええっ、いくらなんでもそんなばかなと思ったのだった。 この元になった小説は「蜘蛛の微笑」という題名でハヤカワミステリ文庫として出版されていたのだが、現在は映画と同じ題名に改題されている。 映画化にあたって監督は原作を大幅に脚色し直したそうで、原作とどのくらい被っているかはわからないが、それでも見る前に原作は絶対読まないほうが良い。 とにかく、映画の中盤で明らかにされるこの出来事の後、前半で起こった出来事も含めて、映画の色合いが違って見えてくること受けあいだ。 いつになくシックでミニマムな画面の中で、監禁された女性ベラを演じたスペイン女優のエレナ・アナヤが凄く美しい。 今までこの人が出演した映画は何作が見たことがあるが、皮肉な事に、今回が一番綺麗に見えた。 流石にアルモドバルのミューズともいえるペネロペ・クルスでは年代的に会わなかったのだろうが、この映画はエレナで大正解だったし、久しぶりにアルモドバル作品に出演したアントニオ・バンデラスの濃い目のキャラも役に似合っていた。それからもう一人ビセンテという重要な役柄を担う人物を演じたジャン・コルネットと言う俳優の、役への嵌り具合も見もの。 ただ、惜しかったのはサスペンスとして観た時に、終盤が以外と普通に展開して終わってしまった事。 もっともアルモドバルは、この映画をサスペンスというよりも人間の愛憎や欲望がもたらした悲劇とか、お得意のテーマである母子の絆とかいった点をメインに描きたかったのかもしれないが・・・。 細かい事をいったらストーリーには突っ込み所がいろいろあるけれど、映像、音楽、演技のどれもが完成度が高いので、そういったことも相殺される、珍しく、アルモドバル観てよかったと思えた一作だった。 ※下記の広告はExciteの営業活動の一環として掲載されるもので、主催者が載せているものではありません
by chiesan2006
| 2012-06-02 12:36
| 映画
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