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2007年 02月 04日
ずっと書こうと思っていて伸ばし伸ばしになっていた「ホテル・ルワンダ」のレビューです。
ネタばれあります。 2004年、イギリス、イタリア、南アフリカの合作映画。主演は「クラッシュ」にも出演していたドン・チードル。 世界的な映画祭で注目されアカデミー賞3部門でノミネートされたにも関わらず日本での上映の目処が立たず、上映嘆願運動まで起こって話題を呼んだこの映画は、アフリカのルワンダで起こった100日間に50万人が殺されたという民族紛争、ジェノサイドを描いた映画だ。 1994年、ルワンダのフツ族の大統領を乗せた飛行機が何者かに撃墜されたことに端を発して、一時は和平に達した民族紛争が再燃し、フツ族によるツチ族の大量虐殺が始まる。 ヨーロッパ系のホテルの支配人ポールは自分はフツ族だったが妻がツチ族であったため、ひとまずホテルに避難することにした。しかしホテルはしだいにフツ族の襲撃から逃れるツチ族で一杯になっていく。 なんとか人々を安全な場所に避難させようと奮闘するポールだが、事態は次第に深刻な状態に陥っていく。 途上国の内戦は、先進国からの武器の流入が原因で繰り返されるというのは良く耳にする話だが、ルワンダではそういった近代兵器以外にナタという原始的な武器で女性や子供を含む多くの人が殺された。 映画の中でポールが「もし奴らが襲ってきたら、お前達は屋上に逃げそこから飛び下りて自殺しろ。ナタで殺されるよりはマシだ」と妻に言うセリフは空恐ろしい。 ルワンダには報道関係者や国連の平和維持軍が入っていて、虐殺の様子は国際的にも流されるが欧米諸国は傍観するのみで、一向に事態の収集に動く気配が無い。その前年国連とアメリカがソマリア内戦に介入して失敗したために、国際社会はアフリカの民族紛争介入には消極的になっていたのだ。(ソマリア紛争にアメリカが介入して犠牲者を出した戦闘に関してはリドリー・スコットの「ブラック・ホーク・ダウン」に詳しい) 駐留している平和維持軍も出来る事に制限があり頼りにならない。そんな中ポールはホテルの支配人として一人で頑張る。最初は家族を守るためだったかもしれない。あるいは支配人だからという使命感からだったかもしれない。でもそれがそのうち、今起こっているこの理不尽な出来事を何とかしなくてはといった、人間としてのもっと根源的な感情に突き動かされ行動していくようになる。 元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんが「カンブリア宮殿」という番組で「難民救済するのに使命感とかそういったものがあるわけではない。やらない訳にいかないからやっているだけだ」とおっしゃっていたけれど、この映画のポールも正にそんな感じだ。そうはいってもポールが非常に勇敢であった事は間違いないけれど。 ホテルの食料が底をつき、ポールがかねてから親交のあるフツ族のリーダーに夜中にこっそり食料を分けてもらった帰り道、真っ暗ななか道路が次第にでこぼこになりとうとう車が進めなくなる。やがて夜が明け、ポールの視界に飛び込んできたのは累々と続く屍の山。ポールたちの車はそれと知らず屍を乗り越えてここまで進んで来たのだった。それを知っていてわざとその道を教えたフツ族のリーダー。 思わず「キリングフィールド」でえんえんと続く人骨の敷き詰められた道を、裸足で骨を踏みしめて逃亡するシーンを思い出し、人間の愚かしさと残虐さに戦慄した。 最後にポールたちは平和維持軍に守られ命からがらの逃避行に成功する。ルワンダはその後ツチ族の組織するルワンダ愛国戦線が全土を制圧し、フツ族の大統領のもと新政権が発足した。 結果的にポールは1200人ものツチ族の命を守り、この話はルワンダの「シンドラーのリスト」と言われるようになる。 ルワンダは現在その後誕生した強権を持つツチ族の大統領のもと、かろうじて平和が維持されている。「カンブリア宮殿」では嘘のように穏やかなルワンダの様子が写し出されていた。 ナタで殺しあった挙句、漸く訪れた平和。 しかも国内には虐殺した側とされた側、二つの民族がいまだ一緒に暮らしている。 その下でどのような思いで日々の生活を送っているのか、平和ぼけした日本の私には想像もつかない。 せめてその平和が大統領の強権に支配されたものでなければいいのだが・・・。
by chiesan2006
| 2007-02-04 19:38
| 映画
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