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2008年 08月 18日
題名からもわかるように、60年代に大流行したマカロニウェスタン、その中の「ジャンゴ」という映画に対するオマージュ作品である上、出演者全員が日本人なのに(おっと、タランティーノが出演してた)、セルフは全編英語という前代未聞の作品。そりゃあいろいろ大変な事もあっただろうな、とは観ていても感じた。 イタリア製の西部劇を作ろうなんて考えついたイタリア人がいたんだったら、それを真似た和製ウェスタンを作ろうと思う日本人がいたって不思議はないかもしれないが、でも何で今なの、とも思った。 それにしても、日本映画界を代表するような演技派や、いまを時めく俳優を総動員して、壮大に遊んでるといった感のあるこの映画。 もちろん俳優さんたちは皆、慣れない英語のセリフは覚えなければならなし、かなり危険なアクションもこなさなければならない等々、遊び感覚で演じている人なんていなかっただろうけど、でも映画自体の遊び心が観てると伝わってくる、そんな映画だった。 以下内容です(ネタばれ) 湯田とよばれる山間の寒村。そこには昔ながらの埋蔵金が眠っているといわれ、源氏と平家の末裔たちが、それを巡ってせめぎあっていた。 村長や保安官はなんとか自体を収集しようと右往左往するも効果はない。 村の青年アキラは、勇敢にもこの争いを収めようとするが、妻の静の前で惨殺されてしまう。 そこに一人のガンマンが流れ着く。どうやら凄腕らしい。 源氏を率いる義経と、平家を率いる清盛はその男を自らの見方に引き入れようと画策する。 かくして白軍の源氏と赤軍の平家、そして様々な立場の村人が入り乱れ、一代抗争が勃発。 多くの村人が死に絶えたそのとき、立ち上がったのは以外にも・・・・・。 私は日本映画はあまり観ないので、三池嵩史というのがどんな監督かということは全く知らなかったのだが、ざっと経歴を見たら、とにかく物凄くたくさん映画を撮っていてびっくりした。 売れっ子の俳優の中には、1年に何本も映画に主演する人もいないではないけれど、監督で1年に3本も、4本も映画を撮る人っていうのは、日本映画が大ブームだった昭和50年代でもない現在、ちょっと異常なペースなんじゃないだろうか。 その上この監督、日本での評価もさることながら、海外での評価が高いらしく、海外の映画祭での受賞暦は数知れずあるらしい。 だからこそ海外市場を狙っての全編英語だったのかもしれないが、この映画を観ていると、そのこと自体がパロディになっているように感じられる。 この映画はヴェネチア国際映画祭とトロント国際映画祭にも出品されたらしい。 私自身、日本映画と三池監督に関してはあまり知識がないので語れることもそれ程ないが、マカロニウェスタンに関してだったらちょっとは語れる。 マカロニウェスタンを映画館で観た事は一度もないが、60年代後半から70年代にかけて全盛期だったテレビの洋画劇場で、マカロニウェスタンは間違いなく高視聴率を稼いでいたはずで、一時は本場の西部劇を凌駕する勢いで、とにかく年中放映されていた。 なかでも一番たくさん放映されたのは黒澤明監督の「用心棒」からアイデアを取った「荒野の用心棒」で、この映画はその当時だぶん一番何回も放映されたスティーブ・マックイーン主演の「大脱走」と並ぶくらい、繰り返し放映された。 主演のクリント・イーストウッドは、日本では「ローハイド」というテレビの西部劇で既に顔は知られていたけれど、この映画で一気にその知名度が上がった事は間違いない。 イーストウッドはいまだに現役のハリウッド映画人であることから、いまではマカロニウェスタンといえばイーストウッドと思われがちだけれど、イーストウッドが主演したマカロニ・ウェスタンで日本でしばしば放映されたのは「荒野の用心棒」以外では「夕日のガンマン」と「続・夕日のガンマン」くらいなもので、それよりはるか多く放映されたのが、イタリア人俳優のジュリアノ・ジェンマの主演作だ。 イーストウッドがいつも眉間に皺を寄せたクールでニヒルな流れ者ガンマンだったのに対し、ジェンマは遥かに陽性で、しかも街の人間たちに溶け込んだ地域密着型ガンマンだったし、その上強面のイーストウッドに比べ顔も可愛かったので、若い女の子には人気があった。 そして第3の男といえるのが、今回の「スキヤキウェスタン」の元ネタになった「ジャンゴ」、邦題「続・荒野の用心棒」に主演したイタリア人俳優フランコ・ネロだ。 フランコ・ネロの一番の特徴は何かといったら、とにかく常に濃い陰を引きずっているような、陽気なはずのイタリア人からは想像も出来ない位のくら~いムードだ。 題名は忘れてしまったが、なにしろ最後に主人公のガンマンが敵に殺られて終わってしまうという、当時のエンターテイメントの常識からは逸脱した衝撃的な作品も、確かこの人が主演のはず。でも、私はこの人結構好きだった。 トランペットやギターを使った哀愁を帯びた主題曲でも、マカロニウェスタンは本場の西部劇と一線を画すが、中でも印象深かったのが、最初にヒットした「荒野の用心棒」でトランペットが奏でる旋律(テレビの「必殺」シリーズはこれをものの見事にパクってたねえ)と、「ジャンゴ」の主題歌の、力強い中にも哀歓の籠もった歌声だ。 そして今回「スキヤキ・・・」のエンディングでサブちゃんの歌う、ばりばり日本語の演歌チックな「ジャンゴ」。こちらもかなり新鮮で驚きました。 私はなにしろジョン・ウェインが嫌いだったし、悪役はいつもインディアンという決まりきった勧善懲悪のストーリー展開がちっとも面白くなかったので、アメリカの西部劇はあまり好きじゃなく、それに比べインディアンは全く出てこず、善悪の境界も微妙に曖昧で、しかも主人公さえもがぼろぼろに痛めつけられ、最後に決死の覚悟で大逆転するマカロニウェスタンのほうが、遥かに遥かに好きだった。 もちろんアメリカの西部劇も、そんなステレオタイプな作品ばかりではなかっただろうが、音楽も含めたマカロニウェスタンが醸しだす雰囲気は、今風に言えばとんでもなくスタイリッシュで、当時の若者には言いようもなくかっこよく感じられたものだ。 若者に限らず、マカロニウェスタン独特の叙情性って、きっと日本人にはぴったりだったんだと思う。 アメリカでは、本場はこっちだといったプライドもあったせいか、日本ほどはヒットしなかったらしい。 今回、この映画の元ネタになった「続・荒野の用心棒」は1966年の作品で、テレビで最初に放映されたのがその3、4年後だとして、この映画はその後も何度も放映されているはずだから、1961年生まれの三池監督が、少年の頃それを観た可能性は高い。 どんな経緯で三池監督がこの映画の製作に漕ぎ着けたかはわからないけれど、映画に対するパワーと好奇心一杯のこんな監督だからこそ、いつかはマカロニウェスタンをリスペクトするような作品を作ってみたいと思っていたんじゃないんでしょうか。 ところで、ちょっと話は変わるけど、今年のカンヌ映画祭でオープニング上映された「ブラインドネス」というジョゼ・サラマーゴ原作の映画に、伊勢谷友介と木村佳乃が揃って起用されてるのを見て、原作には日本人なんて出てこなかったのになんで?と思っていたのだが、外国の映画祭にも出品されたこの映画に二人が共に起用されていて、しかも二人の英語が他の人たちに比べ一段と上手く、役柄も印象的で外見も綺麗で、きっとこの映画がきっかけであの映画にも起用される事になったに違いないと、勝手に想像を巡らして納得した。 伊勢谷友介は今売れてるらしいけど、私はコマーシャルでしか観た事がなかったので、この映画でかなり良い俳優である事がわかり、「ブラインドネス」での演技も楽しみになった。 木村佳乃はテレビミステリーの「スチュワーデス探偵」というシリーズで、お嬢様風のスチュワーデスを演じていて、この人の俳優としてのポジションはずっとこんな感じだろうと思っていたのに、この映画ではそのイメージをかなぐり捨てて汚れ役とも言える役に挑戦しているので、おやまあとびっくりした。 だったら佐藤浩市も国際的に認められるといいのに。だってこの人、渡辺謙なんかよりずっと良い俳優じゃないの、と私は思っているので。でも、残念ながら英語はあんまり上手じゃなかった。 それから最後になって桃井かおりをあんなに活躍させちゃうなんて、そこはやっぱりハリウッド女優の仲間入りを果たしたせいだろうか。桃井さんも、もう結構な歳なのにご苦労様。 この映画を本物のマカロニウェスタンと比べるのは、マカロニウェスタンを本場の西部劇と比べるのと同様、あまり意味がない。 元ネタをどんな風にパクっているかとか、三池監督独自のプラスアルファを見て楽しめばいいんじゃないかと思う。 なんといったって、墓場に十字架に棺桶、それからガトリング銃とかいう初期の機関銃まで揃え、小道具のお膳立ては万全。 欲を言えばリー・バンクリーフみたいなクールな悪漢を、誰かそれなりの俳優に演じて欲しかった。 ただ最近しょっちゅう言ってるけど、この映画も内容の割りにちょっと長すぎ。 本来のマカロニウェスタンは、大体100分位の作品が多いので、この映画もその位の上映時間にして欲しかった。 タランティーノがすきやきの作り方に関して薀蓄を垂れた後、ちゃぶ台をひっくり返すあたり、おふざけが過ぎる感がないでもないが、まあ御愛嬌ってとこかな。 そうそう、和洋折衷みたいな衣装はマカロニウェスタンにはない独自性があって、なかなかお洒落でした。
by chiesan2006
| 2008-08-18 15:38
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