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2008年 09月 30日
![]() 主役がヘンリー・フォンダだったということ以外、あまり良く覚えていないのだが、たぶんこの時初めて陪審制というこのについて知ったのではないかと思う。 それからしばらくは、日本の裁判でも陪審制があるのかと思っていて、日本の裁判制度ついてちゃんと知ったのは、その後だいぶ経ってからだったような記憶がある。 いよいよ日本でも、来年から裁判員制度がはじまるが、日本の制度が評決を多数決で決めるのに対し、アメリカでも、この映画のロシアでも全員一致になるまで協議を続ける。 アメリカではどうしても一致に至らない場合は、はじめから陪審員を選任し直し、一致するまで何回でも協議を重ねるんだったと思う、確か。(これは他の映画かミステリー小説を読んで知ったことで、この映画とは関係ないが) これはそのオリジナル版を、ニキータ・ミハルコフ監督が現代のロシアに置き換えリメイクしたロシア映画で、骨子は同じだが、当然細部の設定などは全く違う。 あらすじ チェチェン人の青年が、養父のロシア人将校殺害の容疑で裁判に掛けられている。 審理は全て終了し、検察側は最高刑の終身刑を求刑。後は12人の陪審員の最終評決を待つばかりとなった。 目撃証言や状況証拠から、青年の有罪は確実のように思われ、評決は簡単に全員一致に達するかに思われた。 ところが、中の1人が無罪に票を投じたことから、20分ほどで終わるはずの協議が、面倒な話になってしまう。 苛立つ他の11人。 だが、陪審員1番と呼ばれるその男は、1人の人間を一生刑務所に閉じ込めようというのに、議論をそんなに早く終わらせてしまって良いのか、と他の陪審員に事件の再検証を迫るのだった。 と、こんな感じで、その後延々と夜を徹した議論が続けられる。 オリジナルがどんな感じだったか良く覚えていないので、この議論をそれと比較することは出来ないが、私はむしろデミ・ムーア主演の「陪審員」という映画を思い出した。 この映画でデミは、息子を誘拐され、その命と引き換えに他の陪審員を説得してマフィアのボスに無罪の表決を出すよう命じられる陪審員の女性を演じる。 「陪審員」では、強力なロジックで他のメンバーをねじ伏せ説得しようとする、正にアメリカ的ディベートの世界が展開されるが、この映画では事情が少し異なる。 まず、最初に無罪の1票を投じた陪審員1番が、いきなり自身の人生をせつせつと語り始めるのである。 最初は一体何の関係があるのかと、あっけにとられていた他のメンバーも、最後に彼が、少年の身に起こった出来事に自分の人生を重ね、語っていたことを知るのだった。 そんな風に、このドラマでは殺害時の状況や証言の検証より、その場その場でそれぞれの陪審員の人生が語られていくので、なんだかちょっと本筋と外れているんじゃないかと思える展開がしばしば起こる。 そのあたりが、ディベートが発達しているアメリカとはかなり違う。 なにしろ、陪審員の一人が「ロシアでは、法よりむしろ情が重んじられるのだ」などと、まるで大岡越前のようなことまで言い出すのだ。 観ているうちに、どうどう巡りでいつになったら結論が出るのかわからない会社の会議を思い出してしまった。 誤解されると困るのだが、会社の会議は只々退屈だけれど、この映画は俳優の演技が皆凄く上手く、それぞれの話しにとても引き込まれる上、堅苦しいだけでないユーモアもあり、サスペンスドラマとしても面白い。イメージとしては社会派のドラマという印象が強いが、それ以上にとてもエンターテイメントなのである。 私は所々でおかしくて、何度もくすくす笑いそうになったのだが、周りの人が誰も笑わないので我慢していた。 もちろんそれぞれの人々の語る物語には、個人的な問題だけでは片付けられない現在のロシアの問題点なども反映されているし、フラッシュバックで挿入される少年の生い立ちには、紛争が色濃い影を落としている。 農民の両親の間に生まれながら、兵士に憧れ、彼らに混ざって踊る少年の姿や、ロシア軍のすさまじい砲撃に怯えて逃げようともがく犬を、必死で抑える真に迫った映像の迫力など、監督がこの映画を通して、現在のロシアの複雑な国内事情を語ろうとしているのは間違いない。 ところで、この映画にはオリジナルとの決定的な違いがある。(ここからは多少ネタばれです) オリジナル版の被告は有罪になると死刑になってしまうのだが、ロシアでは現在は死刑制度を廃止していて最高刑は終身刑だそうだ。 その違いによりこの映画にはラストにオリジナルにはないどんでん返しがある。 アメリカに限らず50年代には人を殺して有罪判決を受けたらどこの国でも死刑だった。 今では人権に敏感なフランスでも事情は同じで、映画の「わらの女」や「死刑台のエレベーター」はそれをテーマにして作られた。 人権に対する考え方も、50年代と現代では全く違う。 アメリカでは現在も30州以上で死刑制度があるそうだが、世界の世論はいまや圧倒的に死刑廃止に傾いている。 アメリカの陪審員だって50年代と現在ではかなり意識が違うはずで、オリジナル版で被告を死刑にするのに反対票を投じた最初の陪審員は、他の陪審員から非難がましい視線を浴びせられたが、現在では必ずしもそうはならないだろう。 陪審員にとって、死刑の評決を出すのと終身刑では心の負担がまるで違うだろうし、そのあたりの事情がこの映画の登場人物の行動にも反映されていて、映画の冒頭で、陪審員たちがなんとなくのんびりかまえているのはそのせいだろう。 ただ50年代ならともかく、現代のロシアで陪審員が全員壮年男性というがなんだか納得がいかなかったが、それはリメイクということで目をつぶろう。 同じくらいの長さなのに途中で飽き飽きしちゃった「ダークナイト」なんかに比べると、絶妙の演出が160分という長さを全く感じさせない、とにかく良く出来た面白い映画だった。 あっ、そうだ。あと、繰り返し出てくる犬の映像の意味が、最後まで良くわからなかった。 途中で何かを見落としているのかもしれない。 今度、観た友達に聞いてみよう。 因みに、上の画像の中央で手を挙げているのが、陪審員2番に扮したニキータ・ミハルコフ監督ご本人です。 ■
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by chiesan2006
| 2008-09-30 00:38
| 映画
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