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2009年 11月 24日
バレエ自体にそんなに興味があるわけではないが、以前見た「エトワール」と言うやはりオペラ座バレエ団のドキュメンタリー映画が印象に残っていたせいで、こちらも見たいと思っていたのだが、いつもの如くぐずぐずしていたら終わりそうになってしまって、慌てて見に行った。 「エトワール」ではオペラ座の中でも最高位の、とびきり美しいダンサーたちのダンスシーンに加えかなりの長さのインタビューがあり、そこで語られる内容がドラマチックで面白かったが、今回の映画はレッスン風景をを中心に、その舞台裏などをあくまで淡々と取り続けている。 この手法で思い出したのが、ニコラ・フェリペール監督の「パリ、ルーブル美術館の秘密」。 でも、この映画を撮ったフレデリック・ワイズマンというアメリカ人の監督さんはフェリペール監督より20歳以上年長の、今年79歳。ドキュメンタリー映画の世界では巨匠と呼ばれる人だそうで、以前「アメリカン・バレーシアターの世界」という作品も撮っている。どちらかというとフェリペールがこの監督の手法を取り入れているのだろうか。 ドキュメンタリー映画というのは、自分の知らない世界を覗き見られる楽しみがある上、俗に言う「シナリオのないドラマ」がある所が面白くて好きだ。 最近見た中では、先日見たマイケル・ジャクソンの「This is It」といい、ローリング・ストーンズの「シャイン・ア・ライト」といい、お年寄りのコーラスグループを撮った「ヤング@ハート」といい、どれも甲乙付けがたいくらい面白かった。 特にダンサーにスポットを当てた作品は、そのダンステクニックもさることながら、ダンサーたちの鍛え抜かれた肉体の美しさにいつも魅せられる。 「エトワール」にしても、「ブロードウェイ・ブロードウェイ」にしてもこの映画にしても。 それにダンサーをコーチする指導者たちが、かなり年配だったり、すっかり体の線がくずれてしまったりしているにも拘わらず、体の動きの優美さにおいては若い人を上回っているのにはいつも感心させられる。その際たるものが「ベジャール・バレエ・ルミエール」のモーリス・ベジャールだった。 この映画、「ボレロ」の振り付けで有名なモーリス・ベジャールを撮った2002年のドキュメンタリー映画で、その頃のベジャールは相当太ってお腹が出てしまっているのだが、若いダンサーに振付ける時の手先の動きの優美さなどは、全く損なわれていないのだ。 今回の映画の撮影中に、どうやらそのベジャールが亡くなったようで、オペラ座の芸術監督の女性が電話で友人にその葬儀の模様を語るシーンもある。 映画の中では、衣装作りの様子やセルフサービスの食堂での食事風景、後援者からの資金集めの相談など、オペラ座の舞台裏が多岐に亘って映されるのだが、中で感心したのが、ダンサーたちの定年に合わせて40歳から支払われるという国の年金制度の話。これにはコメディー・フランセーズなども該当するのだそうだ。 モーリス・ベジャールは「バレリーナは修道女でありボクサーでなければならない」と言ったそうだが、精神的にも肉体的にも苛酷なバレリーナという仕事の性格上、ダンサーは40歳でバレー団を去らなければならない。 フランスではそんなダンサーたちを国が手厚くバックアップしているらしい。このような芸術活動を保護する国の姿勢には、日本と雲泥の差があるように感じられる。 そして世界中から集まる才能あるダンサーたちが、そのバックアップのせいもあって質の高いパフォーマンスを維持しているおかげで、世界各国に多くのファンや後援者を持つ事が出来る。国がダンサーたちに使ったお金は、寄付やら観光収入などで充分埋め合わせられるということだろう。 流石に観光立国フランス。日本政府ももっと見習った方が良いのでは。 この映画でダンサーたちと共にスポットが当てられているのが、前述した女性の芸術監督。 芸術監督といっても、立場上芸術面の事にだけ目を配っていれば良いわけではなく、経営に関する会議にも出席する。 この女性、かなりのやり手らしく相当饒舌なのだが、その言葉の端々に説得力があり、その上ただ上から物を言うだけでなく、ダンサーの個人的な相談にも熱心に耳を傾け適切にアドバイスしてくれる点、流石と思わされた。 オペラ座では、この監督の元、多くの指導者がそれぞれの演目を独自の方法で指導しているのだが、その指導方法はバラエティーに富み、年齢も様々。 まだばりばりの現役の振り付けしもいれば、もう年配で、しかも男女ペアになって指導に当たっている先生もいる。しかもこの二人、意見が全く合わない。 そんなユニークな指導者たちと、時に対立しながらも真摯にダンスに取り組むダンサーたちの姿、そして私はこれを見るのがまた大好きなのだが、本番の衣装とは違った、それぞれのダンサーたちの個性溢れる練習着姿など、レッスン風景でさえ既に美しく興味深い。 この映画ではほぼ6曲ほどの演目を、練習風景から本番まで密着して撮っているのだが、練習時とは全く違った、びりびりした緊張感に包まれた本番の舞台の迫力は圧倒的。 しかも、こういった伝統的なバレエ団であるにも拘らず、演目の多くが前衛的なコンテンポラリーダンスなのにも驚いた。そういった偏見のない幅広さがあるからこそ、より多くの観客に支持され、これだけ長期の人気を維持出来るのだろうが。 160分という長めの上映時間のため、途中ちょっと中だるみな感じはしないでもないし、こういった淡々とした撮り方が退屈に感じる人も多いかもしれないが、オペラ座バレエ団のビジュアル的な美しさ(ダンサーのみならず、オペラ座という歴史的な建造物に関しても)や、それに関わる人々の情熱を、クールに客観的に捉えている所が、私はとても好感が持てた。 それにしても、男性のバレリーナって一見優男なのに、なんで皆あんなに力持ちなんだろう。
by chiesan2006
| 2009-11-24 13:48
| 映画
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